新聞記事:児童自立支援15施設、学校教育行われず 読売新聞(2010年6月23日 読売新聞)

 1998年の改正児童福祉法の施行で、入所する児童生徒を就学させることが義務づけられた全国58の児童自立支援施設のうち15施設で、「学校教育」が実施されていないことが読売新聞の調べでわかった。

 改正法は経過措置を認めていたが、既に12年が経過しており、事実上の違法状態といえる。全国児童自立支援施設協議会(須藤三千雄会長)は23日、施設を所管する厚生労働省に改善を求める要望書を提出する。

 読売新聞の調査に、15施設を管轄する山形、富山、愛知、広島、宮崎県、大阪府横浜市など2府10県、2市が「学校教育が行われていない」と回答。11施設では実施のめどが立っていない。15施設に入所する小中学生は約300人。大半の施設では、教員ではない職員らが学科を指導しており、学習指導要領で決められた授業時間より少ない施設が多いのが現状という。

 改正前は、入所する小中学生は就学猶予や免除の対象となり、「学校教育に準ずる学科指導」が認められていた。しかし、「学校教育を受ける権利を奪っている」などの批判が強まり、改正法で施設長に入所児童を就学させることが義務付けられた。実際には施設外の学校に通わせることは困難なため、施設内に分校などを設置する必要がある。

 改正後も対応が遅れているのは、分校などに配置する教員の確保や経費負担を巡り、都道府県と施設のある自治体などの間で調整が難航しているためだ。京都府福島県の担当者は「施設には府県全域から児童が集まるのに、『施設がある自治体だけが負担するのはおかしい』という意見がある」と話す。

 全国児童自立支援施設協議会の須藤会長は「法で定められていることであり、全国すべての施設で早急に学校教育を導入すべきだ」と訴えている。厚労省は「自治体が判断すべきことだが、法改正から既に10年以上が過ぎており、改善が好ましい」としている。

 児童自立支援施設 非行を繰り返したり、虐待被害を受けたりした子供について、作業や学習を通して自立を支援する施設。主に小学生以上、18歳未満の児童が家庭裁判所児童相談所の判断で入所する。2008年10月現在の入所者は1808人。施設は、国立2、都道府県立49、政令市立5、社会福祉法人2。

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 未実施施設は「58の児童自立支援施設のうち」と言うなら16施設です。業界の方はご存知ですが、大阪ライフが入ってますから、必要なのに実施していないのが15施設ですね。
 学校教育実施については法的な根拠もありますので実施することは当然なのですが、「法改正から12年が経過しているのに、なぜ実施していないのか」ということにも焦点をあててみたら深みが出たんでしょうが、表面的な記事になっていますね。実施している施設の現状でもどこか、調査しませんかね。
 学校教育を実施したからと言って、教育が保証されていると考えるのは、表面しか見ない方の見方ですね。多くの実施施設が施設崩壊を起こしている(学校教育実施だけが理由ではないが)現状に焦点を当ててみてはいかかでしょうか。決して他人事ではないことですが…。

一応、名誉?の為に追記しておきますが、
大分県大阪市横浜市はH23〜、
大阪府はH24〜実施予定です。