新聞記事:杜陵学園の分校など開校 小中学校教育始まる   岩手日報(2010.4.11)

 盛岡市厨川2丁目の児童自立支援施設県立杜陵学園(加藤佳男園長)に、市教委が設置した黒石野中北杜(ほくと)分校と緑が丘小北杜分教室の開校式が10日、同学園で行われた。分校は生徒5人、分教室は児童1人。入所児童への学校教育義務化から12年を経て、ようやく学校教育がスタートした。

 関係者約50人が出席し、盛岡市教委の八巻恒雄教育長は「北杜という名前に学園の夢と希望をのせた。楽しく自立に向けて学んでもらいたい」とあいさつ。黒石野中の磯田望校長は「誇りと自覚を持って充実した学園生活を送ってほしい」と呼び掛けた。

 北杜分校3年の男子生徒が「みんなで心を一つにして毎日の学習に取り組みたい。全員全力で頑張りますので応援をお願いします」と力強く語った。

 杜陵学園は県内唯一の児童自立支援施設。家庭に問題を抱え、生活指導を必要とする県内各地の小中学生らが、児童相談所の措置などで入所する。現在は小学生1人、中学生5人、中学を卒業した実科生1人、高校生2人の計9人が在籍する。

 これまでも学園では、教員免許を持つ学園職員が「義務教育に準じた教育」を行っていたが、分校、分教室の設置により中学校6人、小学校1人の教員が「学校教育法に基づく学校教育」を行う。

 同施設には1998年の児童福祉法改正で学校教育を受けさせる義務が課せられたが、市外からも児童が入所していることなどから、設置主体の協議などに時間を要した。

 加藤園長は「子どもたちにとっては学校も学園も同じ先生。毎日情報共有し、福祉と教育の連携を密にしていきたい」としている。