新聞記事:学校教育10年の那須学園、入所者多様化で教室不足  2010/03/24 下野新聞

 施設内で義務教育を始めて丸10年になる県の児童自立支援施設那須学園」(矢板市)で、教室不足が顕在化している。精神的ケアを要する虐待児や発達障害児の入所が増え、個別の対応が必要になるケースが増えていることが要因。そのため県は来年度、教室増設を予定。同学園は「個別対応を充実させたい」と期待を寄せている。

 同学園は従来、学習指導要領によらない独自の教育を行っていたが、1997年の児童福祉法改正を受け、2000年度に義務教育をスタート。矢板市立豊田小の沢分教室、同市立矢板中の沢分校として開校した。

 「校舎」は92年に建てられた学園施設を活用。現在は机を8〜9個並べれば満杯となる28平方メートルの6部屋を普通教室としている。このうち2部屋は本来、視聴覚室だ。

 今月1日現在の在園者は小学5年生〜中学卒業者の32人。このうち小学生3人が複式学級で1教室、中学1年3人が1教室、中学2年9人が1教室を使用し、15人いる中学3年生は2教室に分かれている。

 現時点では残る1教室をパソコン室に充てているが、小学3・4年生や中学2年生が1人入所すると教室が足りなくなる。

 同法改正で入所対象が虐待児などにも拡大され、在園者は増加傾向。以前は20人前後で推移していたが、ここ数年、年度末には30人を超える状況となっている。

 今月1日の在園者32人の入所理由は窃盗8人、家出放浪6人、粗暴反抗5人−などと分類されているが、同学園は「それぞれの背景を見ると、7〜8割は虐待の被害者」と説明。発達障害も増えている。

 集団生活になじめず、しばしば授業中にパニックを起こす子どもや中学2年でかけ算九九を学ぶ子どもも。個別対応のニーズは高く、「部屋はいくらあっても足りない」(同学園)のが実態だ。

 県が増設するのは普通教室と相談室計2室で、新年度予算に約1800万円を計上。11年度から使用できる予定だ。同学園は「学び直しの場なので、学習意欲を持たせるためにも最低限のハードは整えたい」としている。
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・学校教育を実施する際に建物は県が担当するところが多いようですね。実際に建替えや増築となったときには協定を結んでいないと揉めちゃうんでしょうね。
・入所が増えているのは、施設が機能しているようで・・・。
まとまらないので、また改めて編集予定