新聞記事:児童自立支援施設の元寮長、少女に暴行  読売新聞

 厚生労働省は12日、国立の児童自立支援施設「きぬ川学院」(栃木県さくら市)の元寮長の男性職員(39)が、入所者の10歳代半ばの少女に殴るなどの暴行を加えたとして、停職3か月の懲戒処分にしたと発表した。


 ほかにも退所者を含む計8人が同様の暴行を受けたと証言しており、厚労省は日常的に虐待行為があった疑いが強いと判断し、同学院の梶原敦院長ら上司2人と副寮長の計3人を訓告や文書による厳重注意処分とした。処分はいずれも同日付。

 同学院は少なくとも今年春には事実を把握していたが、口頭注意にとどめていたといい、梶原院長は記者会見で「被害者の家族やほかの入所者に対して心よりおわびする」と陳謝した。

 児童自立支援施設は、問題行動や家庭環境が原因で生活指導を必要とする児童が寮生活を送りながら自立を目指す施設。国立の施設は全国に2か所あり、同学院は女子専用で、11月1日現在47人が入所している。

 厚労省によると、問題の職員は8月15日朝、日課の畑作業に参加しようとしない少女を注意したが従わなかったため、髪をつかんで地面に顔を押しつけ、ひざで顔や上半身をけるなどの暴行を加えた。少女は鼻から出血し、腹や首に複数のすり傷を負った。

 厚労省の調査に対し、元入所者を含む計8人がこの職員から「虐待行為」を受けたと証言。無断外泊した別の入所者の顔を平手でたたいたり、指示に従わない入所者には「生きている価値がない」などと暴言を吐いて「反省会」を開かせて深夜まで就寝させなかったりしていたという。

 児童福祉に詳しい川村百合弁護士は「もともと虐待を受けるなど劣悪な環境で育った子供たちを、温かい家庭的な雰囲気の中で『育て直す』ことが目的の施設。そこで虐待行為があったことは施設の存在意義にかかわる大きな問題だ」と指摘している。

(2009年11月12日21時08分 読売新聞)
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教護院時代から「切っても切れない問題」として浮上しますが、いい加減に切らないことには、本当に「施設の存在意義にかかわる」ことになります。
結果としての事実についてだけで言わせてもらえば残念なことです。