新聞記事:明石学園、成長の夏 児童自立支援施設の「甲子園」で4強 朝日新聞 2010/09/03

全国の児童自立支援施設が参加する全日本少年野球大会が8月24、25日に宮城県で開催され、近畿大会を勝ち抜いた明石学園(明石市)が4強入りした。施設に来るまではけんかや、時に法に触れることさえしてきた少年たち。確かな目標を持ち、力を合わせて努力することの大切さを実感できた、忘れられない夏になった。(高野裕介)


 全国各地の代表15施設が出場する、児童自立支援施設の「甲子園」だ。明石学園にとっては、2007年以来の出場となった。

 中学1〜3年生十数人による今期のチームが始動したのは、今年2月。野球経験が豊富な少年もおり、就任2年目の遠藤貴之監督(35)は手応えを感じていた。でも、チームが一つにまとまるのは簡単ではなかった。「やらされている」という意識の少年も多かった。変わり始めたのは5月ごろから。キャプテン(14)のやる気が、チーム全体に伝わり、合言葉は「全国制覇」になった。

 8月は猛暑の中、大会の試合時間に合わせて午前中から毎日練習を重ねた。楽しみにしていたそれぞれの自宅への一時帰省もやめた。

 全国大会では、1、2回戦を順調に勝ち上がり、準決勝で広島学園(広島県)と対戦した。2度先行されても、2度追いつく粘りを見せ延長戦に。しかし惜しくも敗れ、少年たちは悔し涙を流した。

 遠藤監督は「子どもたちは協調性を身につけ、走り込みや地味な反復練習も我慢強くできるようになった。ただ、最後に勝たせてあげられなかったのは私の責任」と残念がった。

 しかし少年たちは、勝ち試合よりも、あきらめずに戦い続けた最後の試合が最も思い出深かったと口をそろえる。

 施設に来るまではバイクの窃盗や無免許運転を繰り返していたというキャプテンは、「全国制覇できずに悔しいけど、やりきったのでぼくは泣かなかった」。宮城県で名物の牛タンを食べたことも思い出になったという。野球は「何となく」やっていて、4月には施設から一時脱走した二塁手(15)は、「努力をしたら結果が出るってことが初めてわかった」。

 例年通り、野球部の活動は年明けまで休止する。少年たちがそれまでに施設を去ることもあるため、現在のメンバーによる野球部は「解散」となる。彼らは今後、高校入学という新たな目標に踏み出す。

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7/6の続きかな。
しかし、「牛タン」食べたかったですね〜。

元には写真もあり
 http://www.asahi.com/edu/news/OSK201009030043.html