新聞記事:入所児童に虐待18件/県の自立支援施設  2010年04月20日 朝日新聞 静岡

 県福祉こども局は19日、県立の児童自立支援施設で2007年1月から昨年11月までに、入所児童に県職員が暴力を振るうなどの虐待が計18件あったと発表した。県は関係職員らの処分を検討するとともに、施設に改善指示命令を出した。


 同局によると、関与したのは男性の児童指導員3人で、虐待を受けたのは10代の入所男子児童9人。ほおを平手打ちする、足をける、胸ぐらをつかむなどの身体的虐待が13件、床にペンを投げつけたり机をけるなどの心理的虐待が5件あった。指導員らは県の調べに対し、「指導する中で暴力行為があった。行きすぎて反省している」と話しているという。


 昨年度、県内の社会的養護関係施設の虐待について、児童や家族らからの通報や相談が3施設69件あり、県の調査過程で発覚した。同局は、児童福祉施設の虐待例を公表するよう児童福祉法が改正されたことを受けて発表した。今後も定期的に調査結果を発表するという。


 県健康福祉部の石川俊一部長は「虐待の発生が確認されたことについて、深くおわびする。今後再発防止と指導の改善に努める」などとコメントを出した。

                                                                                                                              • -

 平成22年度も初月にして、施設内虐待記事が・・・
被措置児童等虐待対応ガイドラインを受けて、各自治体でガイドラインが設定されだしています。
「これが、あるから虐待しない」というものではないでしょうが、きちんとした対応が求められています。

ただ、このガイドラインや昨今の流れを突き詰めていくと、施設は運営できなくなるのではないかとの懸念もあります。
発達障害や被虐待児の受け入れをする施設として、児童養護施設に任せっぱなしでよいのでしょうか。
こと児童自立支援施設について言えば各自治体は専門的な職員を配置しているのでしょうか。
施設での虐待をどんどん開示していく方向ではありますが、突き詰めれば、その職員を配置したのは自治体です。
その施設の設備、人事、運営を自治体が責任を持って行っているはずなのです。
事が起きた際に、職員に処分を下し、謝罪を出し、それで解決はしないはずです。

そもそも、被虐待児に言わせれば、「虐待を受けた被害者である自分たちが、なぜ施設に入れられなければならないのか」とのこと。「親は相変わらずの生活を送っており、自分たちは自立を強いられる」なんて。

被虐待については親への対応。
発達障害については医療との連携。
そして受け入れる側の施設の専門性。

何を持って専門性と言われるのか。その専門性を整えずして運営している児童自立支援施設の責任は自治体である。

児童養護施設児童自立支援施設への被措置児童等虐待がクローズアップされてはいるが、
その、監督的立場で何かあればギャーギャー言われる、児童相談所、その一時保護所での対応は施設よりも遙かにひどいものが常態化していると思うのは私だけ?

とりとめもなく、かいてもまとまらないし、責任転嫁をさせるつもりはないのですが、今の世の中、決して良い方向にには向かっていないと感じています。おかしな育てられ方をした子は、おかしな育て方をする親になる可能性があります(負の連鎖)。その連鎖を断ち切るためにも何ができるのか、それぞれの立場で検証していくことが必要だと思います。

暴力を受けて育った子が、暴力を媒介にコミュニケーションを築くのは当たり前。その対応を暴力でもって行えば、負の連鎖を強化しているだけ。しかし、それしかしらない子どもを相手にすることがいかに大変なことか。今まで、適切ではなかったとはいえ、暴力をふるわれることがコミュニケーションだった子どもたちは、暴力をふるってもらわないと相手にされていない、と勘違いしている場合もあります。体罰・施設内虐待を容認するわけではないですが、その支援にはひとかどならず苦労が存在するのは確かです。そのための職員配置、専門性のある職員の配置を整えずして施設だけ、職員だけを非難するのは間違いです。

原因はどこにあるのか? 決して他人事ではない問題なのです。